マネジメント
加納 敬
インフラプロジェクト本部
2011年入社 専攻:エネルギー理工学
プラントを建設することに応えるための業務。
私のやりがい
タイにて12のガスコンバインドサイクル発電所のEPCを遂行するプロジェクトに於いてPE(プロジェクトエンジニア)としてプロジェクトコントロール業務に携わっています。客先の要望、即ち限られた予算の中で品質・スケジュールを確保したうえプラントを建設することに応えるための業務です。といえども業務は多岐に渡るため、以下にその一つである設計図書の管理を例として挙げてみます。
本プロジェクトでは、12プラントを建設するにあたり数万を超える図面が出図されます。これらをタイムリーに処理そして適切にコントロールする手法を予算内で構築しプロジェクトの品質/スケジュールを確保する必要があります。具体的な業務としては、協力会社が作成する設計図面の品質を担保するためにエンジニアがレビュー&承認する一連のワークフローを予算内で行えるよう計画。その後は図面が予定通り完成しているかモニタリングし、遅れた場合の督促やその原因追究/改善を行い、完成した図面をもって予定通り工事できるようコントロールしています。
上記のような設計図書の管理に限らずPEとして求められることは、客先、社内、協業会社のプロジェクトの関係者と協議しながら作業の土台を構築し、プロジェクトの流れを作っていくことです。適切な流れを作ることで、予算・品質・スケジュールを守り、客先期待に応えプロジェクト成功に繋げていく。なかなか醍醐味のある業務です。
学生時代の専攻は特に業務と関係していません。携わっていた非平衡物理の研究は物理の中でもアバンギャルドな部類に入り、直接世の中の役に立つわけではない所謂基礎研究でした。自己組織化と呼ばれる自然界で突如生まれるパターン(例: シマウマの縞模様)を、実験室でプラズマを用いて作成、どのような条件下においてパターンが発生するのか調べそのメカニズムを探っていました。
物理を研究していたこともあってか、仕事をする上で機器の仕組みをはじめとする技術的な原理に興味そそられることが数多くあります。このような知的好奇心が、プロジェクト内の専門家に質問したり自ら調べることに繋がり、技術を理解し業務に深みを持たせることにも繋がっていると感じています。
プラントで利用されている技術は、今日までに確立されてきた非常に広範囲の科学技術の結集です。個人的には、知らないことは五万とあるが故、知的好奇心を持ってどう知識を広げていくかがエンジニアリング会社で働く上で重要なことの一つではないかと思っています。
私の目標
現在の小規模発電所 EPC Projectで得た知識・経験を、将来、中規模・大規模発電所プロジェクトに活かし、国内・海外問わず、建設する国の電力安定供給に貢献すること。
一番思い出に残っている出来事
ブラジルのFPSO Projectに派遣された時のことはかなり記憶に残っています。当時まだ新人でしたが、客先Commissioning Teamの中に混ざり安全弁のPopping Testの計画・実行・管理をするという業務に携わりました。上司からは「お前は手を動かす必要はない。(役割は進捗をコントロールして期限内に作業を終わらせることなので)」と言われていたものの、作業をするブラジル人ワーカーは、目を離せば寝ている、団欒している、はたまた私の日本製ペンをそっと盗もうとする等々、入社して一年の若造の言うことをなかなか聞いてくれません。結局上司のアドバイスには従わなかったことになるのですが、片言のポルトガル語を駆使しながら自ら率先してレンチを持って作業することで彼らと信頼関係を醸成し、なんとか期日までに終わらせることができました。
しかし、ここで学んだことは、上司の言っていたことは真であり、自分で手を動かしてできることには限界があり巨大プロジェクトのコントロールには通用しないということです。黙々とレンチでボルトを締めていても、一日でできる数は勿論限られ、他のことはできなくなります。プロジェクトエンジニアは、プロジェクトの要として、どうチームを動かしてプロジェクトを上手く進めるかを考え実行していくことが求められます。共に汗を流すことも大切ですが、プロジェクト全体を俯瞰し取り纏めることも大切であり、バランスのとり方が肝要だと気付かされた体験であり、今でもこの事を思い出しながら業務に臨んでいます。
OFFの過ごし方
クライミングとマラソンをBangkokに赴任してから本格的に始めました。
クライミングはオフィスで働いている同僚と週に1,2回Gymに行き、時には外岩を登りに行くこともあります。あまりに嵌ってしまったのか、クリスマスも、正月も岩登りをするという事態に。
マラソンはバンコクマラソンに出場するために、会社終わりや休日にバンコクの中心にあるルンピニ公園(これがまた素敵な公園)で走りこんでいました。マラソン初心者がよく残す言葉通り30km過ぎると地獄でしたが、今となってはいい思い出です。
学生の皆さんへ
当社で建設しているプラントは、時に一国の経済にも関わってくるような非常に規模の大きいものです。そのようなプロジェクトを通じて、世の中の情勢を理解したり、広範囲の知識を取得したり、多種多様な国籍のメンバーと働くことができます。どんなプロジェクトも一筋縄にいくわけではないですが、経験として得られるものはかけがえのないものだと思います。興味がある方は是非一緒に働きましょう。
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