TOYOは1970年代の終わりに、噴流式(Spout Bed Type)による造粒技術を確立し、従来からあるプリル法尿素に加え、さまざまな大きさの尿素肥料についても自社ライセンスにより提供できるようになりました。1980年代には、噴流層と流動層とを組み合わせ、エネルギー消費と設備費を削減する噴流流動層式(Spout-Fluid Bed Type) 造粒による大粒尿素製造技術を確立しました。
特徴
この噴流流動層式造粒法は、次のような特長があります。
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1. 省エネルギー(少ない電力消費量)
- 造粒器内での尿素水溶液の微細液滴のスプレーに高圧の空気が不要
- 最適化された循環粒子温度
- 流動層高が低く、流動層形成のための空気必要圧力が小さい
- 尿度ダストを含む空気の洗浄設備の圧力損失が小さい
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2. 高い製品品質
- 造粒器内でスプレーされた尿素水溶液の急冷により、ビユレット生成を抑制
- 乾燥効果が高く、製品中の水分を低く抑え、製品硬度を改善
- 噴流層、流動層の組み合わせにより、丸く均一な製品形状
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3. クリーンな排気
- 造粒器内でのダスト発生が少ない
- 高効率の排空気洗浄塔
大粒尿素工程概要
尿素水溶液は、造粒器の中で、噴流流動している循環核粒子の表面にスプレーされます。尿素水溶液に含まれる水は、固化する熱を利用して、蒸発し、乾燥されます。噴流流動層にて成長した粒子は、造粒器の出口付近にある流動層部分で循環に適する温度まで冷され、造粒器から排出されます。排出された粒子は、スクリーンで製品規格サイズ/大粒子/小粒子に分級されます。大粒子は、クラッシャーで破砕された後、小粒子と一緒に造粒器に戻されます。規格サイズはクーラーで冷却され製品として出てきます。
製品品質
※標準値。各プラントの設計条件により変動。
用役原単位
*1 標準値。各プラントの気象条件、用役条件、受け入れ尿素水溶液の濃度により変動。
*2 標準値。製品クーラーに流動層クーラー使用。Bulk Flow Cooler使用時は、19kW/MT. 各プラントの生産量、気象条件、用役条件、受け入れ尿素水溶液の濃度により変動。
クリーンな排気
造粒器から排出される尿素のダストを含む空気は、内部に充填物を設置した洗浄塔内で、循環水で尿素濃度30mg/Nm3-Air以下に洗浄され大気へ放出されます。大気中のアンモニアの排出を抑えたい場合は、硫酸もしくは硝酸を用いた酸洗浄のシステムを採用することも可能です。
種々の製品サイズと用途
同一設備で、Screenの網目を交換することで、その用途に応じた種々のサイズの製品サイズの製造が可能です。
※当社は尿素を自社製造しておりません。尿素そのものの商談やサンプル提供のご要望には応じられません。
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