石油化学・石油精製の多くのサービスで50%を超える省エネルギー性能を得ることができる"SUPERHIDIC®"。特殊な装置を用いず、既存の蒸留技術の適用により、従来の保守性を維持しつつ、高い経済性を提供します。
特徴
-
一般的な多管式熱交換器にてサイド熱交換を行う
- エンタルピー変化を起こすべき組成に設置
- 与えるべき熱量となるよう伝熱面積を変化させることができる
- 濃縮部と回収部の温度差と与えるべき熱量を考慮して熱交換段の組合せを決められる
- 総括伝熱係数を高精度で推算可能
- サイド熱交換をサーモサイフォン/重力にて実現
-
通常の蒸留塔を使用
- 塔内部品は、通常のトレイ・充填物を使用
- 中間製品のサイドカット、マルチフィードにも対応可能
- フィード段の最適化可能
-
上記により、以下の特長を有する
- これまでのいかなる省エネシステムよりも高い省エネ性を有する
- メンテナンスが通常装置と同等
独立行政法人 産業技術総合研究所と当社共同にて特許取得済み
適用対象
ガイドライン
-
塔底温度 ‒ 塔頂温度 < 60℃の蒸留塔
- 高圧系ストリッパーの場合 < 80℃も可能
-
高付加価値の用役を使用している場合
- 中圧スチーム、高圧スチーム、燃料油、冷媒など
-
スケールメリットを享受できるリボイラー負荷やコンデンサー負荷をもつ蒸留塔
適用拡張 その1
初号機導入で得られた知見を基に更に技術開発を進め、初号機案件では既存設備を新規設備に更新していた形態に対し、既存蒸留塔とその付帯設備を再利用して装置システムを構築することを可能としています。
SUPERHIDIC®の新規更新式と同等の高い省エネ効果を維持したまま、導入コストの低減によって更なる経済合理性の改善に貢献します。
適用拡張 その2
蒸留塔の操作圧力および温度に制限があるような、減圧度の高い系やプロセスガスを直接圧縮することが難しい系では、当該技術を間接式ヒートポンプサイクルと組み合わせることで、上述の概念を実現することが出来ます。間接式ヒートポンプは、直接式ヒートポンプに比べて省エネ性能は劣りますが、これまで適用が難しかった高度な減圧系や食品・飲料系等においても、既存蒸留塔の運転を変えず (操作圧力は変更なし)、省エネルギー化できる技術を開発・特許化しています。
-
当該間接式ヒートポンプの特長
- 複数のヒートポンプサイクルの適切な組み合わせ
複数のヒートポンプサイクルを適切に組み合わせる構成によって目的の熱交換を達成 - 作動流体選定の自由度
目的の熱交換を行うためのヒートポンプに適切な作動流体を、さまざまな制約条件を考慮して選定可能
- 複数のヒートポンプサイクルの適切な組み合わせ
既存の蒸留塔で、リボイラーやコンデンサーが熱回収に組み込まれていたり、余剰圧力レベルのスチームをリボイラー熱源に利用している場合でも、数理最適化技術を駆使し、SUPERHIDIC®を効果的に適用できる魅力的な解決策をご提供できます。
プラント全体の省エネ・GHG排出削減サービス「HERO」を見る適用対象の例
なお、SUPERHIDIC®はその適用検討方法として、上述の間接式ヒートポンプおよび数理最適化技術を駆使したHEROを含めて、令和4年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業の先進設備・システムとして採択されました。先進設備・システムとしての概要が掲載された、当事業の執行団体「一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)」のホームページはこちらです。
一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)
当事業における補助金申請の詳細につきましては、当執行団体のホームページをご確認ください。
SUPERHIDIC導入支援フロー
SUPERHIDIC®について、過去に新聞・情報誌等で記事が掲載されています。
2014年10月17日 日経産業新聞2016年1月 ペトロテック39巻1号
2017年5月 ペトロテック40巻5号
2017年7月14日 化学工業日報
2018年5月4日 日刊工業新聞
2018年11月 ペトロテック41巻11号
これまでの受賞歴
- 2014年
- 日経地球環境技術賞優秀賞
- 2017年
- エンジニアリング協会エンジニアリング功労者賞
- 2018年
- 省エネ大賞(経済産業大臣賞)
- 2018年
- 化学工学会技術賞
- 2018年
- 石油学会技術進歩賞
- 2019年
- 分離技術会技術賞
こちらから承ります