HSCプロセスは1982年に三井鉱山化成(MKC)と共同で開発した重質油分解プロセスです。1988年には旧東ドイツ Petrolchemie & Kraftstoffe AG(PCK)に14,000 BPSDのHSCプロセス1号機が完成し稼働しました。また、1998年にはPCK社より7,000 BPSDの能力増強プロジェクトを受注し、2000年夏に21,000 BPSDのプラントとして完成し、その後順調に稼動しています。
特徴
特殊構造のHSC反応器を用いた重質油の熱分解プロセスであり、高価な触媒や水素を用いることなく、高い収率で分解軽油を得ることが出来ます。高濃度の硫黄、重金属を含む重質原油、常圧・減圧残油のみならず、ビスブレーカー残油を含む広範囲の重質油を原料にすることができます。また、ビスブレーカーと同様の簡単なプロセスであるため、建設費、用役消費も少なく、経済的なプロセスとなっています。通常、分解軽油はFCCなどの原料として、また分解残油は発電ボイラー用燃料として利用されます。