新規油田の開発は陸上から海へ、更には浅海から深海へと拡大しており、大水深環境に適応する「FPSO(Floating Production, Storage and Offloading)」が注目されています。FPSOは、船に原油生産設備と原油タンクを装備しており、必要な海洋鉱区に移動して操業することができます。

FPSO建設の特徴

FPSOは、海底油田からの生産流体から水・ガスを分離して原油を生産します。併産された随伴ガスは、船上のガスタービン発電に使用する他、圧縮機で昇圧され、原油の回収効率を上げるために、水と同様に再度海底油田へ注入します。近くに海底パイプラインがある場合には、そこに接続され陸上に送られて発電所などで使用される場合もあります。
FPSOは陸上のプラントと異なり、その基盤が揺れることが設計の前提条件の一つとなります。また、船上設備となるモジュールの設計・建設はFPSOプロジェクトに特有な、設置スペースの制約や軽量化の追求、超重量物であるモジュールを船上に吊上げる際の歪み等、設計条件を考慮しながら3次元CADを駆使して進められます。また、モジュールは各ブロック単位で陸上にて製作されるので、船体の建造や改造と並行して工事することが可能であり、スケジュールの短縮が図れる利点もあります。

FPSOモジュール組立・据付工事全景

実績

TOYOは2005年より、オフショア・オイルプロダクションの主役を担うFPSOに搭載する船上設備(トップサイド)に取り組んでいます。 オーストラリア沖スタイバロー海底油田で稼動するFPSOプロジェクトでは、トップサイドの設計・調達・建設を担当し、主契約者である三井海洋開発株式会社から高い評価を得ました。 その後もアンゴラ沖向け、ブラジル沖向けのFPSOプロジェクトに継続的に参画し、現在までに8件のFPSOトップサイドの実績があります。

ブラジルには、当社が出資している関連会社のエスタレイロス・ド・ブラジル(EBR)があり、ブラジル最南部のリオグランデドスル州にヤード設備を所有しています。EBRは2013年にFPSOトップサイドの設計・調達・建設を受注し、ヤード設備を利用したモジュールの組立および船上への据付工事を実施しました。その後もFPSOの一部モジュール組立工事を継続して実施しています。

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