前提や状況や仮定の上で、
自分なりの「解」を導き出す。

配置・配管設計 北村 智子

配置・配管
設計

北村 智子

配置・配管エンジニアリング部
2002年入社 専攻:建築

仕事内容
プロセス設計部から配管材料部品の材料選定や仕様を決定
世界のさまざまな国から配管部品を購入

私のやりがい

TOYOに入社してからずっと配管設計に携わってきました。現在は空間エンジニアリング部に所属し、配管材料設計の仕事をしています。プラント設計における配置・配管設計とは、大きくプラント設備を構成する機器類の配置計画、機器類を結ぶ配管系の形状設計及び構造計算・応力解析作業を主に担当する「形状設計」と、配管材料部品の材料選定から仕様書の作成及び購入作業等を主に担当する「材料設計」とに大きく分けることが出来ます。上流側であるプロセス設計部から配管材料部品の材料選定や仕様を決定するうえで必要な基本情報を入手し、それらを基に配管設計のベースとなる配管材料部品の仕様書の作成、配管部品を購入する為の購入作業(主に購入仕様書の作成や、ベンダーとのClarificationや見積もりの技術的観点からの評価等)を実施するのが「材料設計」担当の配管エンジニアの役割です。配管材料部品の材料選定や仕様を決定するうえで、安全性や機能性、メンテナンス性やConstructability(施工可能性)、市場性や経済性といった多くの点を考慮しながら設計を進めます。また、大前提として案件ごとに戦略や設計者としての思想があり、算数の1+1=2のように「解」が1つではなく、「解」は無数にあると思います。
案件ごとのスケジュールを考慮しながら世界のさまざまな国から配管部品を購入します。プラントを建設する上で配管部品の種類や数量は非常多く、配管工事が占める割合は高いため、配管材料部品をスケジュール通りに現場に届くか否かが非常に大切です。スケジュールを加味しながらの購入作業が必要であり、このあたりが「材料設計」担当の配管設計エンジニアとしての業務の大きな魅力であると思っています。

大学での専攻はEnvironmental Design, Architectureです。デザイン性を重視し、デザインのプロセスや社会的要因やサイトプランニングの勉強であり、構造、原料、エネルギーや環境といった様々な視点からデザインを研究していました。
志望動機は、学生時代を海外で過ごし、国籍や言語・文化が異なる人達と切磋琢磨しながら共に学び・成長する楽しみを経験したことで、語学力を生かし、モノや価値を国籍や言語・文化が異なる人達と創造する仕事がしたいと思ったからです。
現在、私が所属している空間エンジニアリング部の配置・配管設計は、自分自身の専門とは必ずしも一致しません。しかしながら新入社員の研修時に、配置・配管設計に非常に興味を持ちました。前提や様々な状況や仮定の上で、自分なりの「解」を導き出すというところに、自分の専攻と通じるものを感じました。また、配管材料チームは、外国のメンバーが多く、Group companiesと一緒に仕事をする機会や、配管材料の購入先は海外ベンダーが多いこともあり、自分自身の英語力が非常に役になっていると感じます。
配管設計を教えている学校はありません。機械工学的な知識や海外での仕事が多いので英語の知識はあれば役に立ちますが、入社後に実務を通じていくらでもリカバリーすることが出来ます! それ以上に大切なのは、に目的を考えながら事の本質を探究する姿勢、客先や一緒に仕事をしている人達と密にコミュニケーションを図ることを楽しむという姿勢、先輩からの指導を真摯に素直に受け止められる姿勢、打ち合わせの中や協議中に混沌とした時にでもちょっと雰囲気を変えるための笑い(笑いは世界共通です!)が取れるユーモアの資質が(ハードルあげましたか?笑)あることです。

仕事風景

私の目標

仕事を楽しみながら成長していくのはもちろんですが、Group Companiesのエンジニアと一緒に“一日一笑”をモットーに円滑なコミュニケーションを通じて、チームとして共に楽しく仕事をしながら、世界に誇れる(顧客にPlant Made in TOYOと誇ってもらえる)プラントを作っていきたいと思っています。将来的には配管材料設計のスペシャリストに、ゆくゆくは会社の経営に携われるようになることが現在の夢です。

一番思い出に残っている出来事

一番思い出に残っている出来事は、入社して初めて携わったプロジェクトです。CNA プロジェクトと呼ばれていて、客先はBASF(ドイツ)、基本設計は日本、詳細設計は中国の設計院、建設現場は中国 南京でした。 新入社員として、4月に入社し、3ヶ月の研修を終えた後、第一希望であった配管設計部に所属(形状設計チーム)が決まりました。配属後、直ぐにアサインされたプロジェクトがCNA プロジェクトでした。 まだ何も分からない状態の中、自分の担当エリアTANK YARDとLOADING / UNLOADING / DRUMFILLING UNITを頂きました。
LOADING / UNLOADING / DRUMFILLING UNITは出来た製品をトラックに積んだり、ドラムに詰めたりする場所で、下の図でみるとタンクヤードの下の部分です。 

配管エンジニアとしての業務は多岐に渡ります。自分の担当のエリアの設計を担当するプランナーさんと呼ばれる方々が設計する為に必要なインストラクションの作成や、熱応力計算(熱応力計算とは、配管は機器と機器を繋いでいますが、配管の中に高温や低温の流体が流れることで、配管が伸びたり縮んだりします。これによって、機器が押されたり引っ張られたりするような力が発生するのですが、このような力が許容値内にあるかどうかをチェックする計算)のインストラクションの作成、配管設計部が各部への情報として出す図面のチェック、各部から出てくる図面(例えば機器の図面)のチェック等、試行錯誤で行いました。 又、MODEL REVIEW MEETINGというものがあります。これは3D MODELをお客さんと一緒に見ながらプラントの安全性、メンテナンス性、操作性、建設性、客先の要求を満たしているかなどを確認していくMEETINGです。会社に入って間もないとは言え、自分のエリアは自分の責任です。 このプロジェクトでは、私が担当のエリアは30% MODEL REVIEW MEETING, 70% MODEL REVIEW MEETING, 100% MODEL REVIEW MEETINGと、計三回MODEL REVIEW MEETINGを自分主導で実施しました。客先のエンジニア、客先のオペレーター、TECの各部(プロジェクト、プロセス、電気、計装、設計、土建等)のエンジニア等を合わせて総勢20人程度の人達の前での英語のプレゼンテーションは、とても緊張しました。MODEL REVIEW MEETING前は、MEETINGの資料作成や準備等で、たびたび深夜の帰宅や徹夜になってしまったこともありました。 このプロジェクトは基本設計を日本で実施しましたが、詳細設計は、中国の設計院との仕事でしたから、日本で基本設計完了後、中国に移ると、自分の管理下に何人もの人達がいるという状態になりました。 戸惑いがなかったといったら嘘です。どちらかと言えば、内気な性格なので、きちんと皆をリードしていけるか不安でした。一緒に仕事をする中で、なかなか自分の意図が伝わらない事で、自分の力量不足に落ち込み悩む事もありました。 国が違い、文化が違い、話す言語が違えば、最初はなかなかスムーズに進まなくて当然です。でも、そこに共通のゴールがあり、分かり合おうとする心と、思いやり、一生懸命さが伝わると、同じ人間ですからお互い分かり合うことが出来、信頼が生まれ、仕事がスムーズに捗るようになるのだと強く感じました。 一生懸命、悔いの残らないように努力したことで、終わった後は感無量でした。お客さんからも評価を頂きました。大変だった事も、今思えばとても良い思い出です。

OFFの過ごし方

一時期、とても着物にはまっていました。車も好きで、アメリカで免許を取得しましたのでAT限定でしたが、日本に帰国後限定解除をし、今は楽しくMT車に乗って通勤しています。休日は、「運動しなくては!」という危機感にかられ、もっぱら日向ぼっこをしながら本を読むのがすきでしたが、最近は歩いたりYOGAにいったりしています。

OFF写真

学生の皆さんへ

(女性の学生さんに向けて)
ここ10年ほどで女性の総合職の数も増えています! 結婚後、出産後に職場に復帰する場合には復帰前に人事部との面談があること、職場に復帰後の子育て中には仕事内容や長期や短期出張の希望等も含め、上司と相談する事で、配慮してもらうことが出来、女性が働きやすい職場環境づくりに取り組んでいると思います。 私は未だ実際に制度を利用した事はありませんが、育児休業制度、家族看護休暇制度、Welcome back制度等があり制度的なサポートも充実していると感じます。