東洋エンジニアリング株式会社(TOYO、取締役社長 永松 治夫)は、天然ガス処理技術を持つ米国エイトリバース(8 Rivers Capital, LLC、CEO Cam Hosie)と包括協定書を締結しました。
天然ガスの利用は、脱炭素社会に向けた時間軸の中で低炭素化に向けた選択肢の1つとして捉えられており、エネルギー・セキュリティー向上の観点から重要です。天然ガス田は世界中に点在しており、不純物の少ないガス田から開発が進められてきました。一方で、硫化水素(H2S)などを多く含むサワーガス、二酸化炭素(CO2)などを多く含む酸性ガスについては、分離するための技術的難易度が高く、開発コスト高になることからあまり活用されていない状況です。
エイトリバースがライセンスを保有するタート(TarT)プロセスは、高H2S・CO2の条件において独自の蒸留技術を用いることで、従来のアミン溶媒を用いた化学吸収プロセスと比較して、設備費で約2割、運転費で約5割のコスト削減ができる技術です。さらに分離したCO2は液化されるため、CCS(二酸化炭素回収・貯留)やCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)への活用優位性が高くなります。
TOYOは今回の包括協定によって、タート(TarT)プロセスを用いた基本設計に関する独占実施権を持ちます。天然ガス処理プラントで多数の実績があり、回収されたCO2を油・ガス田に圧入し増産するプロジェクトの実績も有しています。また現在、回収したCO2の資源化チェーン構築プロジェクトにも参画しており、これらの技術をインテグレーションすることで、低炭素社会、循環型社会の実現に寄与していきます。
エイトリバースについて
エイトリバースは、エネルギー、CO2及び化学プロセス産業で多くの持続可能な社会を実現する技術を生み出しており、“セロエミッション“を達成することを目的とする先駆的企業です。
2021年3月30日