三菱重工業株式会社、東洋エンジニアリング株式会社、双日株式会社、住友商事 株式会社の4社は、アンゴラ共和国の地質鉱山工業省(MGMI)より、アンモニア・尿素肥料プラントの一部エンジニアリングの先行契約(プラントの基本設計、図面・契約書の作成、現地調査など)を締結しました。
今回のアンモニア・尿素肥料製造プラントは、アンゴラ共和国の首都ルアンダから北方約300㌔㍍に位置するザイーレ州ソヨに建設予定で、生産設備のほか出荷設備も含み、2015年末までの完工を目指しています。生産能力(予定)は、アンモニアが日産2000㌧、尿素が日産1750㌧となります。また、本プラントは同ザイーレ州ソヨにて着工済みのLNG生産プラントに供給される天然ガスの余剰分を有効活用するものです。アンゴラは肥料の輸入依存国であり、本案件は、国内天然ガスの有効利用によって肥料の国産化に貢献する重要案件です。
アンゴラは、豊富なエネルギー・金属資源を背景に2001~2010年までGDP成長率が平均約11.5%で推移している経済成長国です。アンゴラ政府は、エネルギー・金属資源を中心とした産業構造からの脱却および産業の多角化を方針としており、沖合の洋上設備から回収される天然ガスをザイーレ州ソヨ地区に集め、LNGや発電燃料、肥料などの生産拠点として整備しています。
現在の世界人口は70億人に到達したと推計されており、2050年には93億人に達すると予測されています。アフリカにおいても、現在の約10億人から2050年には約21億人と倍増する見込みです。また、この人口増加を背景に、2050年までに世界の穀物生産は21億4300万㌧から34億200万㌧へと約6割(2000年比)供給を増やす必要があるという試算もあり、今後の食料増産が世界的な課題となっています。効率的に持続可能な農業を営むために肥料は不可欠であり、本案件もその問題解決に貢献していくものです。
日本側コンソーシアム4社は今後、エンジニアリング以降のプラント建設の受注も視野に入れて取り組んでいく方針であり、プロジェクト全体の規模は周辺インフラの整備も含め1000億円超の見通しです。