東洋エンジニアリング株式会社(取締役社長:山田 豊)と、株式会社日立製作所(執行役社長:中西 宏明/以下、日立)は、このたび、豪州のガスおよびコールシームガス(CSG)*1の開発会社であるイースタン・スター・ガス社(本社:シドニー/以下、ESG)との間で、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州のニューキャッスルにおける中規模電動LNGプラントの事業化調査を行うことで合意しました。ESGは、2014年以降にLNGを輸出する計画があり、今回の事業化調査では、当社と日立が共同で中規模電動LNGプラントの経済性の調査を行う予定です。
現在、オーストラリアでは、CSGの採掘が複数進行しています。ESGは、ニューサウスウェールズ州最大のCSG鉱区を保有しており、2014年以降にLNGを輸出することを計画しています。本計画では、日本向けなどを含めたLNG輸出量を当初年間100万トンからスタートし、将来的には年間400万トン以上となる予定です。
事業化調査を行う中規模電動LNGプラントは、プラントエンジニアリングの分野で培ったプロジェクトマネジメント力やエンジニアリング技術に強みを持つ当社と、鉄道車両・鉄鋼プラントなどで培った電動化技術に強みを持つ日立が、米国チャート社のLNG液化技術を採用して提案するもので、従来の大型プラントとくらべ、漸次拡張可能であること、検討から建設までの期間をこれまでの約半分に抑えられること、建設費用が低減できることなどから、中小規模ガス田に適したLNGプラントです。本事業化調査では当社と日立が共同で、この中規模電動LNGプラントの経済性調査を行うほか、技術調査も合わせて行う予定です。
今回のプロジェクトをはじめ、アジア・太平洋地域においてストランデッドガス田*2などが多く存在することから、両社は潜在的な中小規模LNGプラントの需要があると見込んでおり、今後も共同で事業を拡大していきます。
*1 コールシームガス(CSG):オーストラリアではコールシームガスと呼ばれるが、一般には炭層ガス(CBM)と呼ばれる、石炭層とその周辺から採掘されるメタンガスのこと。
*2 ストランデッドガス田:経済的、地理的な理由から事業化が進んでいない中小規模のガス田のこと。
2010年5月24日