2004年12月28日

東洋エンジニアリング株式会社(TEC、取締役社長 山田豊)は、三井物産株式会社と協力して、ロシア連邦タタールスタン共和国のカザンオルグシンテツ社が、同共和国カザン市に建設を計画している、ロシア初となる年産70,000トンのビスフェノールA(BPA)生産設備 及び年産65,000トンのポリカーボネート(PC)生産設備をこのたび受注致しました。TECの役務範囲は両設備の詳細設計及び機器調達で、プラントの完成は2007年を予定しています。本プロジェクトには、低い環境負荷と高い安全性に秀でた最新技術である、出光興産(株)のBPA技術と旭化成ケミカルズ(株)のPC技術が採用されています。三井物産(株)は、本プロジェクトの実現に向け、TEC及びライセンスを供与する出光興産(株)、旭化成ケミカルズ(株)と客先間のコーディネーションを行い、今回の早期受注に貢献してきました。

本プロジェクトは、自社で生産しているアセトン、フェノールを原料にBPAを生産し、最終製品のPCまで一貫して生産することにより、原料製品の高付加価値化を目的としています。またロシア国内でも急成長しているPCへの需要を満たすとともに、需要超過状態にあるヨーロッパ、アジアマーケットに輸出することが計画されています。ロシアはソ連崩壊後の混乱時期を脱し、高度経済成長軌道に乗り国内消費は年々上向きに転じており、石油化学製品や化学品に対する国内需要の高まりと共に、国内でのプラント需要も飛躍的に増大すると予測されています。当社は同国での長年にわたる豊富な経験を生かし、一層の受注拡大を期待しています。

受注概要

客先 カザンオルグシンテツ社(Kazanorgsintez;本社:カザン市)
(同国最大のポリエチレン製造会社でありボルガ河流域に位置する)
受注者 東洋エンジニアリング
建設地 ロシア連邦タタールスタン共和国カザン市
(モスクワ市の東方約1,000キロメートル)
対象設備 年産70,000トン・ビスフェノールA(BPA)製造設備 及び
年産65,000トン・ポリカーボネート(PC)製造設備
役務範囲 詳細設計、機器調達
ライセンス

BPAは出光興産(株)、PCは旭化成ケミカルズ(株)

プラント完成予定 2007年
受注の意義
  1. ロシア初のビスフェノールA及びポリカーボネート・プラントであり、低い環境負荷や安全性に秀でた日本企業の最新鋭技術が適用されます。
  2. 今回のプロジェクトは、旧ソ連邦の官営工場から新しい経済体制での民間企業となった客先が、既存設備を有効に活用し同国の輸入代替や新規需要へ積極的に対応するものであり、今後同様な形で旧ソ連邦時代の遺産を有効に活用した新しいビジネス開拓が期待されます。
  3. 今回の受注要因は、TECの豊富なモノマー及びポリマーの建設実績、ソ連時代を含め40年間以上継続して60件以上のプラントを建設した実績、長年蓄積されたロシア設計基準などの地域ノウハウ、更にプロジェクト実現に向けて発揮された三井物産のコーディネーション機能やロシア及びタタールスタンにおける地域展開力等の高い総合力などです。

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