千代田化工建設（千代田、社長：関 誠夫）と東洋エンジニアリング（TEC、社長：広瀬俊彦）は、ロシア企業（ヒムエネルゴ：ロシア国大手工事業者グループ、ニピガスペレラボトカ：ガス関連においてロシア随一の設計会社）と共同で、サハリンエナジー社（シェル: 55%, 三井物産: 25%, 三菱商事: 20%により出資されたプロジェクト投資会社）より、サハリン島における天然ガス液化（LNG）プラントを16日に受注しました。正式な設計・調達・建設（EPC）契約は近日中に締結します。
本プロジェクトの建設予定地はロシア共和国サハリン島南部プリゴロドノイエ地区で、今回建設されるLNGプラントの液化装置は2系列です。1系列あたり年間生産量は480万トン、合計年間生産量は960万トンとなり、世界最大となります。 LNGプラントの運転開始は2007年を予定しています。本プラントでは、液化の心臓部であるプロセス部分に、サハリンのような寒冷地におけるLNG生産に最適とされる、シェル開発のDMR（二重混合冷媒）プロセスを商業プラントとして世界で初めて採用します。本プロジェクトのLNGプラント部分はLNG液化装置、10万m3のLNG タンク2基及びLNG出荷設備から構成されます。
千代田はLNGプロジェクトのEPCにおいて、世界規模でのサービスを提供しており、世界の主要LNGプロジェクトにおける千代田のシェアは約3割を占めています。一方TECは、全世界において大型プロジェクトを数多く遂行してきた実績を持ち、特に旧ソ連時代を含むロシアでのプロジェクト遂行については世界屈指の実績があります。 本プロジェクトは、本年始めに受注したオマーン政府LNGプロジェクトを含む千代田の豊富なLNGプロジェクトでのEPC 経験と技術的優位性、及びTECのロシアでのプロジェクト遂行上の知見と経験が評価され、今回の受注につながったものです。千代田はカタ－ル、オマーンのプロジェクトに続き、LNGプロジェクトを連続して受注しており、LNG分野での圧倒的な強さを示しています。千代田は本プロジェクトの基本設計業務も蘭国フロアー・ダニエル社と共同で遂行しました。
天然ガス埋蔵量世界一のロシアにおいて初となる本LNGプロジェクトは、将来のロシア国内各種ガス関連プロジェクトの礎石となります。 ロシアでの本プロジェクト遂行経験は、千代田とTECにとって今後のロシアにおける更なるプロジェクト受注の足がかりとなります。
2003年5月16日