ロシア初のLNGプラント、世界最大の2系列960万トン－ －シェルが開発した新プロセスを初採用－ 千代田化工建設（千代田）と東洋エンジニアリング（TEC）は、ロシア企業（ヒムエネルゴ：ロシア国大手工事業者グループ、ニピガスペレラボトカ：ガス関連においてロシア第一の設計会社）と共同で、サハリンエナジー社（シェル: 55%, 三井物産: 25%, 三菱商事: 20%により出資されたプロジェクト投資会社）と、サハリン島における天然ガス液化（LNG）プラントの設計調達建設（EPC）契約を2日締結した。契約調印式典は、東京で開催中の「世界ガス会議」にて同日とりおこなわれた。
本プロジェクトの建設予定地はロシア共和国サハリン島南部プリゴロドノイエ地区。今回建設されるLNGプラントの液化装置は2系列。1系列あたり年間生産量は480万トン、合計年間生産量は960万トンとなり、世界最大を誇る。 LNGプラントの運転開始は2007年を予定。本プラントでは、液化の心臓部であるプロセス部分に、シェル開発のDMR（二重混合冷媒）プロセスを商業プラントとして世界で初めて採用する。本プロジェクトのLNGプラント部分はLNG液化装置、10万m3のLNG タンク2基及びLNG出荷設備から構成される。
千代田とTECは、本EPC契約がロシアの共同企業体パートナーの本格的な参画を得て締結されるに至ったことに満足している。この共同受注により、各種ロシア企業への発注は7億ドルを超えることが予定されている。両社のプロジェクト遂行経験を得て、本プロジェクトは、ロシア及びロシア企業にとって、将来のロシア国内各種ガス関連プロジェクトへの礎石となるものである。
千代田はLNGプロジェクトのEPCにおいて、世界規模でのサービスを提供しており、 世界の主要LNGプロジェクトにおける千代田のシェアは約3割を占める。一方TECは、全世界において大型プロジェクトを数多く遂行してきた実績を持ち、特に旧ソ連時代を含むロシアでのプロジェクト遂行については世界屈指の実績を誇っている。 本プロジェクトは、本年始めに受注したオマーン政府LNGプロジェクトを含む千代田の豊富なＬＮＧプロジェクトでのEPC経験と技術的優位性、及びTECのロシアでのプロジェクト遂行上の知見と経験が、ロシアの共同企業体パートナーの実績と共に評価され、今回の受注につながったものである。千代田はカタ－ル、オマーンのプロジェクトに続き、LNGプロジェクトを連続して受注しており、LNG分野で圧倒的な強さを誇っている。千代田は、本プロジェクトの基本設計業務も蘭国フロアー・ダニエル社及びニピガスペトラボトカと共同で遂行した。
天然ガス埋蔵量世界一のロシアにおいて初となる本LNGプロジェクトは、将来のロシア国内各種ガス関連プロジェクトの礎石となる。
2003年6月6日