TEC・千代田連合、肥料プラント受注
-イランNPCから総額300億円で一括請負-
-イランNPCから総額300億円で一括請負-
東洋エンジニアリング(TEC、本社/千葉県習志野市、社長/広瀬俊彦)をリーダーとする千代田化工建設(本社/神奈川県横浜市、社長/関誠夫)、イランのエンジニアリング会社であるピーデック社とのコンソーシアムは、三井物産の協力を得て、イラン国営石油化学公社(NPC)から総額約300億円の肥料プラントを受注した。
本件はNPCがバンダルアサルイエ地区に計画する石油化学コンビナートに位置し、アサルイエ沖に位置するサウスパースガス田より生産される天然ガスを原料に、一日当たりアンモニア2050 トン、尿素3250 トンを生産する肥料案件としては世界最大の計画となっている。本年2月から行われた国際入札の結果、同コンソーシアムの実績及び競争力が認められ正式受注に至ったもの。契約内容は、基本設計、詳細設計、機器資材調達、テクニカルアシスタントサービスを含む一括請負で、完成は2004年中頃の予定。本件には国際協力銀行と日本貿易保険による輸出制度金融(バンクローン)によるファイナンスが予定されている。
イランはロシアに次ぐ世界第2位のガス埋蔵量を誇り、現在ガス利用が同国政府にとり最重要課題として位置付けられている。同国のガス田の中でサウスパースはペルシア湾沖に位置するイラン最大の海底ガス田となっており、その開発が急がれている。天然ガスはクリーンエネルギーとしてイラン政府により注目されているのみならず、同国では天然ガスを利用した数多くの石油化学案件が数多く計画され、実行されている。1964年に設立されたNPCは中東第2位の石油化学メーカーであり石油化学製品を同国の輸出基幹産業として育成すべく豊富な国内原料を使用する13の石油化学コンプレックスを建設及び計画中。昨年10月のハタミ大統領来日を機にイラン-日本の経済交流が活発化しており、日本政府としてもイラン向け中長期貿易保険の再開、30億ドル融資契約の実行等を通じ斯かる民間支援を積極的に開始、本件もその延長として政府による支援が期待される。
TECは昨年6月に同アサルイエ地区でNPCが計画するアロマプロジェクトを受注、本件は同社にとり最近のイランにおける大型受注第2弾となる。TEC及び千代田化工はイランを含む世界各地で大型プラントを建設した実績があり、これらの実施能力が認められたもの。エンジニアリング業界各社はプラント市場において相互の強みを生かすアライアンス方式を取り入れるケースが増加している。TECと千代田化工が海外大型プロジェクトで共同受注するのは初めてである。