オレフィン転換技術(OCT)

概要

オレフィン転換技術(OCT)は、最低投資額と省エネを目指して浮上した目的化されたプロピレン生産技術の一つです。OCTはブテンを触媒と反応させてプロピレンに変換することができるため、低付加価値C4を有効に活用する技術として評価されています。またOCTは単独で設置するか、スチームクラッカーまたはFCC工程と連携して、性能と柔軟性を向上させることができるように設計されています。
東洋エンジニアリングはルーマス社とオレフィン転換技術(OCT)に関する技術ライセンス契約を結び、同社と共同でアジア地区における販売・設計を実施しています。

特徴

OCTはプロパンを生成しないため(メタセシス触媒は選択的にプロピレンを生成することが可能であり)、エチレンプラントやFCCで使われる精密蒸留(P-Pスプリッター)を必要とせず建設費及び用役消費が軽減されます。OCTは熱的にニュートラルな反応であり、主な用役消費は反応器の入口温度制御用の若干の予熱燃料と、蒸留系のスチームや冷却水程度に限られます。OCT工程は, 触媒分解のような他のプロピレン工程に比べて投資費用とエネルギー使用の面で強みを持っています。

骨格異性化プロセス(CDIsis®)

CDIsis® は、イソブテンをノルマルブテンに転換することができます。イソブテンはガソリンのオクタン価を高めるメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)の生産に必要です。しかし最近、環境規制の強化により, MTBEの生産は徐々に減っており、イソブテンの代替的な需要先が必要です。このような背景のより, CDIsis®技術はイソブテンをノルマルブテンに転換させて、OCT工程の原料であるmixed C4として使用できるようにします。CDIsis®とOCT工程の組み合わせは、経済的かつ効果的なプロピレンの生産を可能にします。

<骨格異性化反応式>

C5留分OCT

Liquid feed crackingの減少とブタジエン需要増加に応じて使用することができるC4は、徐々に減っています。プロピレン生産原料と供給不足を解決するためにC5 OCT工程が開発されました。C5 OCTは異性化反応とメタセシス反応を含んでおり、ブテンOCT工程と非常に似ています。C5 OCTもC4原料不足を解決するための新しいプロピレン技術として認められています。

<C5 OCTにおける反応式>